「きれい……。」
一目見た瞬間、気に入った。
それは紫の花をモチーフとした、一見女の子らしいデザイン。
だけど花と一緒に飾られたやけにリアルなドクロを見れば、可愛いだけをテーマにしたんじゃないことが分かる。
「芦谷……俺、これにする。」
何より、紫という配色が自分にピッタリだと思った。
さっきのピアスを思い出す。
男が青で、女が赤。
その両方で、
どちらでもない自分にはお似合いな色だ、紫は。
このままじゃいけない。
分かっているんだ、そんなこと。
もう俺は3年生で、今は何とか誤魔化せても、社会に出てしまったら性別を偽るなんてこと、できないことは分かってる。
俺は選択しなければならない。
俺の心は男なのか、女なのか。
自分の本当の姿を……。
……分かってはいるのに。
あと、1歩が踏み出せない。


