保健室だというのに、室内には澱んだ空気が辺りを包み込む。



「っ、ごめんなさい祥一くん!! あたしっ……あたし……!!」



後ろにいる藤崎が、声を上げた。



「こんなことになるとは、思わなくて……っ!」



思わなくて、だと……?



「っ……何、言ってんだよ。」


「……え?」



思わなくてじゃねぇだろ。



もしそれで、それで……先輩が……


「純恋先輩がいなくなってしまったら……!」





…………きっとおれは、とち狂うだろな。





「祥一、くん……?」


「……何でもない。」



それを藤崎に言ったところで、どうしようもない。



それに純恋先輩は無事なんだから……。



……そう言って、今にも藤崎に殴りかかりそうな自分を必死になだめた。