あと探してないのは……


「部室の周辺か。」



確か道場の近くには、ほとんど使われてない第2体育倉庫があったはず。


とりあえずしらみつぶしにでも先輩を探していかないと、自分の気が収まる気がしない。



走り出したところで、階段の隅に落ちている"それ"に気がついた。



「これ……純恋先輩の……。」



スマートフォンだ。


この前新しく替えたとか言って、嬉しそうに見せてきたやつ。



先輩はここまで来ていた……?



道場はもうすぐそこだ。


この近くに、純恋先輩がいる……!!





――このあと、おれは無事先輩を見つけることが出来た。



おれの予想通り、めったに使われることのない第2体育倉庫に純恋先輩はいて。


その倉庫の前で、おれに助けを求めて来たのは藤崎だった。