康介は女にモテた。


まぁ顔はそれなりに整ってると思うし、うるさいけど性格がよかったから。



康介を好きな女の子は、純恋以外にもたくさんいた。



「は? 康介と付き合った?」


「う、うん。康介に告白したら、なんかOKもらった……。」



純恋がそう言って来たのは、その年の夏休みが終わってから


どうやら2人は両想いだったらしい。



「よかったじゃん。」


「へへっ。ありがと、凛!」



純恋は本当に嬉しそうだった。


幸せそうだった。



小学5年生のとき

純恋の父親は、純恋と純恋の母親を捨てて、どこかに消えた。



それ以来、男を無意識に遠ざけていた純恋。



だから康介と付き合う純恋を見て、あたしも本当に嬉しかった。