「店は思ってたより忙しいし、人もたくさんだから。今日は祥一くんには会えないかなーって思ってたんだよね!」



おれも思ってた。


てか会いたくなかった、切実に。



「だから今、こうやって祥一くんに会えて、ものすごく嬉しい!」


「あ"? んなの知らねえよ……!」



こんなやりとりをしてるうち、純恋先輩がおれの存在に気が付いて


あとをついてきたおれを軽蔑したりしないか、本当に怖かった。



そんなおれの焦りが行動に出たのか。


藤崎を腕から引き剥がす際、藤崎と足がもつれ、バランスを崩し


そのまま暗幕ごと倒れてしまい、そして結局、先輩には見つかって……。



「も、死にてえ……。」


「おいおい、物騒物騒。そんな病みモード、客が逃げるからやめて。」