「3月29日」

伊地知くんが言った。

「えっ?」

その日は私の誕生日だ。

それが一体どうしたと言うのだろうか?

「その日も必ずここにきてくれますか?」

そう思っていたら、伊地知くんが聞いてきた。

「その日に何があるって言うの?」

そう聞き返した私だけど、
「その日になれば教えてあげますよ」

伊地知くんに笑ってごまかされてしまった。

「私がこなかったらどうするの?」

もう1度聞いたら、
「千沙さんは必ずくると、俺は信じています」

伊地知くんは首を縦に振ってうなずいた。