Bartender

「千沙さん…?」

私の名前を呟くように呼んだ伊地知くんに、
「ごめんなさい!」

私は謝っていた。

「その、えーっと…」

何て言えばいいのだろうか?

「好きと言うのは、ウソじゃないの」

「男として、と言う意味でですか?」

「そうそう…って、えっ?」

伊地知くんは私を見つめていた。

「俺のことが好き、なんですよね?」

「え、ええ…」

伊地知くんの問いに、私は首を縦に振ってうなずいた。

好きと言えば、好きだ。

でも、
「伊地知くんは、私のリハビリにつきあっているんでしょう?」

そのリハビリの相手に好きと言われたら、伊地知くんは迷惑なだけだ。