Bartender

「あっ、それ…」

ハンカチを見た伊地知くんは思い出したと言うように呟いた。

「おとといのデートの時に貸してもらってたのを思い出したの」

そう言った私に、
「ありがとうございます。

もしかして、洗濯してくれたんですか?」

伊地知くんがハンカチに手を伸ばしてきた。

ハンカチから手を引こうとした私だったけど、
「あっ…」

伊地知くんと手がぶつかった。

「あっ、すみません…」

「い、いえ…」

手がぶつかっただけなのに、私の心臓はドキドキと長距離の後のように激しく鳴っていた。

伊地知くんから目をそらした後、チラリと彼に視線を向けた。