その翌日のこと。

「あっ」

洗濯をするために昨日着たジーンズのポケットを確認していたら、中からそれが出てきた。

伊地知くんのハンカチだった。

そうだ、昨日手を洗うために彼のハンカチを貸してもらったんだ。

これは後で洗濯をしよう。

そう思った私はジーンズを洗濯機の中に放り込んだ。

洗濯機が終わるのを待っている間、手の中にある伊地知くんのハンカチに視線を向けた。

「いつ返そうかな?」

少なくとも、早いうちに返した方が無難である。

そう思うのは簡単だけれども、
「何だろうな、この気持ち…」

切ないような、苦しいような…自分でも、この気持ちがわからない。