当日を迎えた。

「えーっと、11時に店の前だったな」

スニーカーを履くと、もう1度自分の格好を確認した。

変なところは特になし。

スマートフォンで時間の確認をすると、待ち合わせの時間まで後3分だった。

「じゃ、行ってきます」

家を後にすると、エレベーターを使って1階へと下りた。

店の前に到着すると、
「おはようございます、千沙さん」

伊地知くんがすでにいた。

「おはよう…」

伊地知くんの格好に、私の心臓がドキッと鳴ったのがわかった。