『わかりました

遅くなるようでしたら電話をします

千沙』

こんなものでいいのかな？

送信、と。

「正文以外の男とメールをするの、初めてだな…」

そう呟いた後、ドアにもたれかかった。

メールをするのはもちろんのことだけど、正文以外でアドレスを交換をしたのも伊地知くんが初めてだった。

いつまでも元彼のアドレスを電話帳に入れるのは変かな？

もう正文とは会わない訳だし、入れておくのは何だかおかしいよね。

そう思って電話帳のアプリをタップして、正文のアドレスを画面に表示させた。

…やっぱり、消せない。