やっぱり、紅茶の味だ。

これなら何杯でも飲めてしまうかも知れない。

私はグラスをテーブルのうえに置くと、
「今日、映画を見に行ったの」

伊地知くんに話しかけた。

「映画ですか、いいですね。

そう言えば、ここ最近映画を見てないなあ。

今度の休みは久しぶりに映画に行くか」

伊地知くんは笑った。

「映画を見終わったから、ご飯を食べようと思ったの。

そしたら、つきあってた人に会った」

「元彼…と言うことですか?」

呟くように聞いてきた伊地知くんに、私は首を縦に振ってうなずいた。