伊地知くんとの事件から2週間が経った。

彼の店に行くのはもちろんのこと、近づいてもいない。

仕事も忙しいから当然のことだ。


「あー、疲れた…」

明日は待ちに待った休日だ。

久しぶりに仕事が早く終わったので、会社の帰りにスーパーマーケットで買い物をした。

普段は毎週日曜日に1週間分の食材を買いに行くのが当たり前だけど、せっかくだから買い物を済ませることにしたのだ。

明日は久しぶりに映画を見に出かけようかな。

そう思った時、ポツリと頭のうえに冷たいものが当たった。

「えっ?」

思わず上を見あげると、黒い雲から雨が降り出していた。