そう思ったら、隣に誰かがいることに気づいた。

私以外の誰かがここにいる。

「千沙さん、起きてください。

起きなかったら…キスしますよ?」

その声に、私は閉じていた目を開けた。

ガバッと起きあがって、声の主の確認をする。

「ああ、やっと起きた」

声の主は私と目があったとたんに笑った。

「――えっと…」

すみません、どちら様でしょうか?

引き締まったその肉体は、今流行っている細マッチョと言うヤツでしょうか?

俳優のように端正な顔立ちにココアのような色をしたその髪はパーマがかかっているのか、フワフワしていた。