自分の香りがする温かいふとんの中、
「――ねえ、起きてください」

どこからか声が聞こえた。

「――んー…」

その声から逃げるように、私はふとんの中へと潜り込んだ。

今日は休日だ。

休日くらい、ゆっくり寝かせてよ…。

「ねえ、起きてくださいってば」

もううるさいなあ…。

意識を夢の中へと飛ばそうとした時、私は気づいた。

――誰だ?

1LDKの部屋で私は1人暮らしをしている。

なのに、この部屋に一体誰がいると言うのだろうか?