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翌日の朝。

俺は着信音で目が覚めた。

テーブルに置いていたスマホがしつこいくらい鳴っている。

まだ眠気が取れなくて電話を無視してしまおうかと思ったけれど、それは鳴りやまない。

仕方なく起き上がり、スマホに手を伸ばした。

「本田……?」

それは滅多に連絡を取らない隣のクラスの本田からの着信で、俺は首を傾げた。

本田と言えば野間と2人で将棋雑誌を読んでいる姿くらいしか思い浮かばない。

そんな本田が俺になんの用事だ?

疑問に感じながら電話に出る。

その途端本田の慌てた声が聞こえて来た。

『平野、大変だ!!』

「なんだよ、どうしたんだ?」

『野間が死んだ!』

は……?

突然の事で俺は声を出すのも忘れてその場に立ち尽くした。

野間が死んだ?

その言葉の意味さえ理解できず、本田が何か言っている事も頭に入ってこない。