先輩はなにか言いたそうだけど、首を横に振った。
「やっぱいいや。気にしないで」
周りの歌が部屋に響いてる中、
私達の間には沈黙が流れる。
《なんか、気まずい…》
なぜか突然耐えきれず、立ち上がった。
「ちょっとお手洗い行ってきます。すぐ戻ってきますので」
返事をもらう前には私はドアに向かった。
そばにいたスタッフに止められる。
「あの、どちらに?」
「お手洗いってどこですか?」
「こちらのドアから出て、廊下を右に曲がって頂いて、そして標識が見えてくると思います」
スタッフの女の人がそう答えると、私は軽くお礼と会釈をして部屋から出た。
《とりあえず落ち着こう》
急ぎ足で角を曲がると、
なにかにぶつかって転んでしまった。
「っ!」
