士郎と理佐子は、平成の日本に戻れた。


『う、ここは・・・。』


例の故郷に戻れた。
服装などもあの時のまま。


隣には理佐子が倒れていた。

『理佐子、大丈夫か?』

理佐子を揺り起こす。

『うーん、あ、士郎ちゃん。私達どうしたんだろう。』


『どうやら、落雷にあい、気絶してたようだね。ケガがないのが、何より。』


『士郎ちゃんのせいなんだから。笛なんて吹くからだよ。』


でも、士郎にはなぜかかなりの時間が経過してるような気がしていた。


『俺、何かかなり夢みてたな。内容は思い出せないけど。』


『あたしも。士郎ちゃんは出てきたな。』


『俺も理佐子は出てきたんだが、あとは思い出せない。』


『何かすごく長く時が経った気がするんだけど。』


理佐子は漠然と呟いた。


士郎は傍らのリュックに目をやり、


『今何時だ。腕時計忘れたから、携帯でも見るか。』


士郎はリュックを引き寄せた。