諸葛亮の作戦に異を唱えるのは魏延の習性になりつつあった。


『呉は大義名分がない。そのうちにわかる。今はまず魏を亡ぼす。司馬懿殿に我が軍の涼州兵を含めた精鋭5万を託すのでお願いしたい。副将として姜維と諸葛庶をつけるゆえ。』


士郎は驚いた。


『え、私は将軍ではないので。』


士郎は狼狽しながら、言った。


『まあ、待て。貴公では当然武門は期待出来ない。だから関興をつけるゆえ、貴公は頭脳のみでいくさをしろ。。』


『ええ。』


士郎は気が重かった。また、危ないところへ行くと理佐子に反対されるからであった。


しかし、その理佐子も黄月英に呼ばれていた。

今度は理佐子も巻き込まれることになった。

『りさちゃん、一つ頼みがあるの。呉へ行ってくれるかしら。』


『ええ、私がですか?』


理佐子は動揺していた。


『何故私が呉へ?』