一方 黄月英と理沙子の二人は、尼姿に身を変えて、当時興隆していた仏教寺院を訪ねるという名目で敦コウを何とか脱出した。

西は匈奴らの遊牧の民が住む土地。


彼女達は何とかガラス職人に会うことが出来た。そして、高い給料を払うからと成都へ連れ帰ることにした。


行きはよいよい、帰りは何とかで・・・。


敦コウの関所は何とか通過したものの、その後敦コウの街中から何人かの者がつけてきた。


街外れに来た時に、一行を10人程の商人風の男達が取り囲んだ。


「貴方がたはどなたですか?」


理沙子が杖を身構えた。黄月英も背中合わせで杖を構えたが、やはり二人とも、武芸はてんで出来ない。


ガラス職人は逃げてしまった。


二人に危機が迫っていた。