うそつきだ、と言われた。


お母さんが人魚の子孫で、水を浴びるとウロコに尾びれにえらが出てくる、と言った。


だったら見せてみろよと言われた。


私はむきになって、近くにあった水道に置いてあるバケツを手に取り、思いっきり頭から水をかぶった。


ひやりとするそれに身震いし、じわじわと体中に伝わるヒリヒリする痛みを感じる。


ああ、痛いな。と思ったと同時に悲鳴に似た声が聞こえた。


「バケモノ…っ」


涙目になって言った彼は、そのころ1番仲のいい子で。


待って、そんなことを言おうとした途端、目にまばゆい光が指す。


浅い息を整えようと、方で息をする。


つうっと首筋に伝う汗の感触と同時に、ヒリっとした痛みが貫ける。


やわらかくそこに触れると、固くなっているのがわかる。


___私、木我海は人魚の末裔である。


母の血を受け継いだ。たったそれだけのことなのに、なぜ、こう___周りと違うのだろう。


私はいわゆる"異質"だった。


「うみー?起きたのー?」


下から母の声が聞こえた。


ハっとして、今起きた、と返事をする。


長く、色素の薄い髪をひとまとめにして、制服を身にまとう。


階段を下りて居間に行くと、母がおいしそうな__魚を用意してくれた。


いただきまーすと呟き、頭からかぶりつく。