「………」


…不意にあたしは、
さっきのことを思い出した。


『そんな顔すんなよ、茉実…』

『この間言ったこと、
まじで気にしなくていいからな。』


……あたしが傷付けた立場なのに
どうして柊季は気にかけてくれるのかな。


優しすぎるよ、柊季は…。


「…りんちゃん、どうかした?
さっきまで赤かった顔が
青くなってるけど…」


「いや……ちゃんと言えるかなって
不安になっちゃって…。」


緊張と不安で
昨日もあまり眠れなかった、なんて…
そんなこと絶対言えない……。



__……そして、数時間後。


「わああ!つ、着いたあああ!!!」


優花の声と共に
あたしたちは京都に到着した……__