「りんちゃん教室入らないの?」


「……えっ!?は、入る!
共に入ろうじゃないか…!ふははは…」


動揺したあたしは、声が裏返りつつも
右手の拳を上にあげた。


「あははっ…!りんちゃん
今日は特にテンション高いね…!」


そう言って、陽気に笑いながら
優花は教室に入っていく。


ち、違う違うッ…!むしろ真逆だ。


テンション高いフリをして
実はテンションの低い自分と
真剣に、そして真面目に向き合っているのだ。


「ま、まって優花…!」


先に入っていった優花の背中に隠れながら
あたしも教室の中へ入っていく。


ぬおおお、たかが教室に入るだけで
こんなにも気まずいと思ったのは
……生まれて初めてだ。