「す、好きじゃないよ…!
それに、さっきのは
からかわれただけ、っていうか…」


「…でも、さっき…」


と、なぜか言葉が詰まっている柊季。


…も、もしかして…あたしの手で
先輩の頬を冷やしていたあの光景を
柊季は変に勘違いしてる…?


「ちがうちがう!
その…バチンって音がしたのさ、
そしたら、だーっと女の人が走って行って
ガラッとドアが開いて…そのー…」


「わりぃ、擬音語ばっかで
全然わかんねーんだけど……」


と、苦笑いをする柊季。


「とにかく、違うから!」


…わーお。なんて必死なの、あたし。


でも…なんか柊季には、誤解されたくない。


そう思ったんだ。