絶叫脱出ゲーム~奴隷部屋カラ今スグ逃ゲロ~①

Dが振り上げた拳がAの頬に当たり、それとほぼ同時にAは血を吐いた。


たった一度のパンチで血が出るなんて、相当な力が入っているのだろう。


Eも必死でAの腹部にけりを入れる。


Eの足がAの腹部にめり込むが、Aは両腕を抑えられているため倒れる事さえ許されず、その場に嘔吐した。


それでも2人の攻撃は容赦なく続いていく。


時々客の姿が映し出されるが、誰もがショーを見て喜んでいる様子だった。


「吐き気がするな」


優也さんが吐き捨てるようにそう言った。


あたしは「うん」と、頷く。


同じ人間とは思えない、最低な奴らだ。


しばらくAを集中的に攻撃していたから、Aはついに立つ事さえできなくなりその場に膝をついた。


その様子を見て、DとEの動きが止まる。


何やら周囲を見回し、支持を仰いでいるようにも見える。


その時だった……「殺せ」観客の口が、確かにそう動いたのをあたしは見た。