無口なセンパイに恋した仔羊

「…私、もう帰りますので」

バツが悪くなった私は、そう言って逃げようとする。…だが、三好さんが私の手首を掴んだ。

「…家まで送って行きますよ」
「いえ、そんな…うち、ここから遠いので、一人で帰ります」

そう言って首を振るのに、三好さんは一歩も譲る気配はない。

「…タクシーなら、問題ないでしょう?」
「いえ、本当に結構です。…あ、ちょっと」

何度も断るのに、三好さんは、強引に大通りでタクシーを捕まえると、私のマンションまで、送り届けてくれる。

…でも、自宅は知られたくない私は、近くで止まってもらう。

「…ありがとうございまた、それじゃあ」

「あ、待って」
「…」

なおも、私についてくる。困ったな。
「あの、本当にもう大丈夫ですから」

マンションの前まで来てしまった。