無口なセンパイに恋した仔羊

綾人の言葉が、ズシッと心にのしかかった。

…美鈴への気持ちは、ずっと、前からあった。

…誰にも負けないくらい美鈴を愛してる。

それなのに、彼女を傷つけてしまった。

そんな自分に腹が立ち、彼女への罪悪感で心が締め付けられた。

「…悪い。明日は早く出社するから」

そう言うと、片付けを済ませ、オレはマンションに急いだ。

…。

美鈴の部屋の前、呼吸を整え、インターホンを押した。

…美鈴が出てくる気配がない。

何度かインターホンを鳴らしてみたが、彼女は出てこなかった。

まだ、帰っていないのか。

ふと、下の道路から、男女の声が聞こえた。

…、美鈴と…三好。