腹部を聴診していた港の手が抜けると、ボタンを留めてくれる。



「少しすれば吐き気も治まるよ、陽。胃の音がよくないけど」



そう言われて恥ずかしくなって、顔が熱くなっていく。



「…そういうのいちいち言わなくていい!」



「伝えることは大事だろ?」



「だっ……はず…」



大声をあげたらまた吐き気が襲ってきて、港は呆れた顔を浮かべる。



「バカ、大きな声出すな」