玄関のドアが閉められた音が聞こえたと思ったら、足音が寝室に近づいてくる。
カチャリとドアが開いて、港が顔を覗かせた。
部屋の電気をつけてすぐ、港の視線は私の顔色を伺うかのように向けられる。
「我慢するな」
体を起こされて、口に手が掛けられる。
「噛むなよ」
首を振っても手は離されないままで、港はふぅとため息をついた。
「吐いていいよ」
「…んッ…だいじょ…ぶ」
‘大丈夫’と言おうとしたところで耐えられなくて、また戻してしまう。
黙って背中をさすってくれている港は、顔色を見たいのか顔を覗き込んできて。
「ずっと寝てたんだってな?季蛍さんが様子見ててくれたって」
頷くと頭を撫でられる。
「薬も飲まないとな」


