結がスースーと寝息をたてているのを見て、部屋の扉を閉めた。
“バスで来た”というけれど、傘を持ってきていなかったところからして相当焦ってしまったらしい。
陽曰く、気づいたら病院に向かっていた…。
リビングのソファでは、今度は陽が毛布にくるまっていた。
「…結のこといっぱいで自分の体には気づかなかったのか」
そう言っても特に反応がなく、ただ遠くをぼーっと見つめている。
毛布を少し捲って、冷え切った服のボタンを開けていった。
抵抗すらしない陽の頬は、赤らんでいる。
「大丈夫か…?」
体温計を服の中に入れても、陽はぼーっとしていた。