「陽」 扉が閉まると、もう蒼くんの姿はない。 目の前には驚いた顔の港がいて。 「どうした…?」 と近寄って私を見下ろした。 「結が…」 「こんなに手冷えて…」 結を抱き上げた港は、私の手を握りしめて驚いた表情を浮かべる。 「行き違いにならなくてよかったな…」 毛布をそっと外して結の頭を撫でる港は、片手で額に手を当てた。 「ごめん…」 「一緒に受付まで行こう」