温まった体に、腰を撫でる柔らかい手。


薬のおかげか、奏太のおかげか。


痛みは少しずつわからなくなった。


それと同時に溢れるもの。


堪える間もなく、目尻を伝うもの。





「ふふ、なに泣いてんの」





悔しいんだ、どうしても。





「ごめ…、やっぱり我慢できない…」




痛みで誤魔化していた不安定な気持ちが爆発し、抑え方がわからない。



大人げなく涙が溢れ続け、毛布に顔を埋めるしかない。




「我慢しなくていいけどさ」




呆れたように笑われながら、背中が擦られる。




「夜、なに食べたい?」



「んん…ふぇ…」



「幼稚園児じゃないんだから」



「だってぇ…」




先の見えない不安に押しつぶされそうで、それをなんとか誤魔化しながら毎日を過ごしている。



だから何かの拍子にふと、涙が溢れてきてしまうんだ。




「しょうがないな、夕飯の選択権は譲るよ」



「ッグス…」



「なにがいいの?」