コーヒーが運ばれ、香ばしい匂いに包まれた。
美味しいと有名なだけあって、心なしか匂いですら各別だ。
「休み、どっか行った?」
「…ん?」
「泊まりでさ」
「泊まり?あぁ、そんな話したな」
「前回してた」
「行きたいね、気分転換に」
「いいよな、たまには…」
「予定立てづらいけどな」
「忙しいとね」
「まぁでも、外科医に比べたらマシだと思える」
「まあね。最近港に会った?」
「少し前に会ったよ」
「元気だった?…最近会ってないや」
「普通に元気そうだったよ。こっちのことすごい心配してたけど、忙しいのに体力すごいよ、彼」
「はは、そうかも。休みとかあんのかな」
「どうだろね。向こうの子どもちゃん、知らぬ間にだいぶ大きくなっててさ」
「そうなんだ、会ったの?」
「いや、お願いしたら写真見せてくれたんだけど」
「最後に会ったのいつだったかな。思い出せないくらい前」
「それじゃ驚くね」
「そっか。もうそんなにか…」
コーヒーがとても美味しかった。
そこらで買うものとは格が違い、思わずカップの中を眺めた。


