「あれ?陽さん?」 聞き覚えのある声にはっと振り向くと、そこには白衣を身にまとった男性がいた。 「…蒼くん」 「どうしたの?」 ふわっと込み上げる涙を堪えて顔を上げると、蒼くんが腕の中の結を確認する。 そうして少し首を傾げ、微笑んだ。 「港ならいるよ。行く?」