それから仕事の話を少しして、「休みが欲しい」と苦笑し合って。
「今度、子供ちゃんに会わせてよ」
そんな奏太の希望を快諾し、穏やかに笑う表情にほっと胸をなで下ろす。
「次の休みにでもホテル取ろうかな」
「…いいじゃん。贅沢」
「ちょっと息抜きでパーッとさ。たまには」
「愛香さんと?」
「もちろん」
「喜ぶんじゃない、滅多にないから」
「だといいけど」
そんなに遅くならないうちに、と 荷物を抱えて席を立つ。
「奏太」
無言で伝票を取って行った背後に声を掛けると、
「今日くらいは。…本当に」
そう言ってそのままレジに向かった。