「あ…、どうした?」
目が合うと、まずい といった表情をした。
寝室のドアは開いたままだ。
視線を移すと、両手で握りしめたグラスの中身が、振動によって震えている。
「なんでもない…」
首を左右に振り、表情が強張った。
唇がぎゅっと結ばれる。
とても 辛そうな顔をした。
苦しいと、目が訴えた。
それには 胸がぎゅっと締め付けられた。
言葉にならない苦しさを訴えるその表情には、嫌なほど見覚えがあった。
怯えている。
警戒されている。
言葉が出なかった。
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