二度の電話に応答がないまま、自宅に着いた。 リビングの明かりは付いていたが姿はなく、既に寝ているようだ。 「季蛍」 寝室のドアを開けて名前を呼ぶが、返事はない。 既に夢の中のようだ。 距離を取る… とは言え…。 一瞬 迷ったが、ドアは閉めた。 踏み込むのはやめておこう。 感じる違和感を指摘したくても、見守る限界があったとしても。 今ではないような気がする。