「もし何かあったら聞きます」



「…ありがとう」



「不要かもしれないけど」



「ううん、そんなことない。そう言ってくれる人がいるだけで全然違う」



「…それなら嬉しいです、必要とされているようで」



「季蛍ちゃんの安心感って、何年もずっと変わってないよ」



「ほんとですか?」



「うん、本当に安心する」



「…実は私も、陽さんの隣は居心地が良いことに気がついてました」



「ふふ、本当に?気を使ってくれなくてもいいのに」



「ううん、本当です。今日だって 家にいる気分じゃなかったし…」



「それなら家に呼んでよかった!ちょっと躊躇ったの、忙しいの知ってるから」




陽さんは 素直に気持ちを伝えてくれる。



そこに いらない気遣いを感じたことは一度もない。



思っていることを伝えるのが上手なんだ。



きっと。