差し込む痛みに耐え切れず、思わずシーツを握り締める。
そうして意識がハッキリしてくると、少しの間眠っていたことに気がついた。
下腹部をぎゅっと締め付けられるような感覚に、腰まで響く痛みが続く。
いてもたってもいられずに悶えていると、頬に何かが触れた気がした。
そっと目を開くと、細い指先が肌をそっと撫でていく。
親指で目頭がキュッと押されると、じんわりと滲んでいた涙が拭われた。
肌で感じ取る温もりを求めてしまい、上半身を持ち上げる。
「変な夢でも見たのか」
「…ううん」
感情に任せて体を寄せると、一度肩を制されたものの、胸の中に受け入れてもらえた。
ちょっと面倒くさそうな顔をするくせに、優しく体を包み込むのだ。
だから自分を抑えられなくなる。
そのまま身を任せ、甘えたくなる。
情けないと思っていても、その安心感を求めてしまう。
激痛に声を漏らすと、腰を何度かさすってくれた。
目に掛かった前髪を指先で払われると、強引に視線を合わされる。
「つらそうだな」
少し困った顔をした奏太に、そっとゆっくり体を倒される。
「やっ…」
その温もりが離れていくのが寂しくて、痛みが倍増するようで。
再度上半身を起こそうとすると、体を覆うようにして制される。
寄せられた顔が触れそうになり、それには咄嗟に視線を背けてしまった。
首筋に微かに触れた、なにか柔らかい感触。
思わず身を捩らせると、笑われる。
意図的にやっているのだ。
この場に及んで反応を楽しむだなんて、本当に意地が悪い。
それから体が離されると、全身が毛布に包まれた。
「おやすみ」