「大丈夫…」
「吐かれた方が困る」
再び現れた揺れ回る目眩に耐えられず俯いていたら、コンビニの駐車場に車が停められた。
車の揺れが重なると、耐えるのは厳しかった。
窓に頭を預け、水を含む。
瞼を閉じている方が落ち着くはずだが、今はそうでない方が楽だった。
「愛香」
助手席の扉が突然開き、預けていた体重を慌てて自力で支える。
「…なに」
「トイレ行くなら今なんだけど」
「大丈夫だってば!」
「その顔のどこが大丈夫なのか教えて欲しいよ」
「心配しなくていい…」
「心配じゃなくて不安なだけだ」
「私は平気だよ」
「俺は平気じゃない」
「奏太は関係ない…」
「運転中にヤバそうな雰囲気出されると困る」
「してない」
呆れたように目を伏せ、ため息をついた奏太は、助手席の窓を半分開けた。
「吐く手前だった」
「まさか。ほんとうに大丈夫」
「本当だな?」
「…本当」
「説得力のない顔色」
「ほとんど食べてないから問題ないの」
「関係ない」
パタリと扉が閉められた。
少し落ち着いてきたような、と 体を動かし、揺れた視界に慌てて瞼を閉じた。


