「ごちそうさまでした」
疲れて眠ってしまっていた間に、咲が作ってくれたカレーライス。
少量のつもりだったのに、今回も残してしまった。
…というより、咲に手を止められた。
「無理しなくていいよ」
そう言って見破られた。
「永菜、どうだった?」
「すごく美味しかった」
「良かった。明日の朝は2日目のカレーだからな!」
「もっと美味しくなってるね」
「そんで昼はうどんだな」
「ずっとカレー?」
「もったいないだろ!」
「うん、いいけどね?」
「決まりだな」
食器を片すと、咲がキッチンから何かを運んできた。
「食べるか?」
「…!」
私が好きなケーキ屋のプリンアラモード。
「いつ買ったの?」
「永菜が車で寝てる間に」
優しい甘味の、大好きな味。
「こんなに贅沢で大丈夫?」
「今日くらいはな!」
と、咲が向かいの席に腰を下ろすと同時に鳴り響いた携帯電話。
「……」
「咲、鳴ってる!」
「ごめん、少しだけ待ってて」
謝らなくていいから!
と、心の声が漏れるけど。