「副作用が出始めたか」


手術を終えた松山が、どこで情報を得たのか…永菜の病室へやって来た。


数十分前からまた洗面器を手にし、どうにもできない辛そうな表情だ…。


「あぁ。もっと前から吐き気はあった」


「そうなんだ、大分しんどそうだもんな」


体力にも限界がある。


「永菜ちゃん、吐き気止めを入れようか?」


松山の問いに、永菜はコクンと頷いた。


「よし、用意してくる」




さっきまで話せていた永菜も、今は余裕が無いみたいだ。




松山が病室を出ていくと、永菜は顔を向こう側へ逸らした。


「…永菜?大丈夫?」


「うん…っ」


向けられた永菜の目には、今にも零れそうな涙が浮かぶ。


…よく我慢してたと思うよ。



「気持ち悪い…」



そんな顔を見て放っておける訳もなく、胸の中にそっと収めてやった。