実家につくと、すぐに母さんが飛び出してきて。



「やだ、夏くん泣いてるじゃないの」



そう言って俺の腕から夏来を抱き上げた。



「悪い、お願い」



「大丈夫よ。それより時間大丈夫なの?」




「大丈夫じゃない。…急ぐ」



「事故起こさないでよ?…まさか」




「起こすわけないだろ…。夏来、いい子にしててね」




頭をくしゃっと撫でて実家を後にすると、


"ぱぁぱ!行かないで"




と夏来の声が聞こえた。







…振り向くと戻りたくなるから振り向かないけれど。