「よかったらどうぞ」
死にそうな顔でパソコンを凝視していた港のデスクへ、ショートケーキを乗せた皿を差し出した。
「えっ」
俺は永菜に買ってきたプリンアラモードに、スプーンを入れる。
「余り?」
「永菜が食べなかった…と言うより、今日は無理だと思って」
「…。そういうことならありがたく頂きます」
すぐに察しがついたのか、断ることなく皿を受け取る。
「うん、美味しい。これなら永菜も喜ぶな」
永菜より先に食べてしまっていいものか…とも思うが、事前に味見しておくのも大事だ。
「甘いものはありがたい」
「そう?なら良かった」