「高島先生も十分怖いです…」



口から出ては後悔して、恐る恐る顔を上げると、無表情でボタンを開けられていった。



「そうか、もっと優しくしろと?」




口元は笑っているのに目が笑っていない。





「怖くなるのは誰かさんに原因がある」




「だって…」




ボタンをほとんど開けられて、高島先生はじーっと顔を見つめてくる。 




「食べてるのか?」




「な…食べてますよ」




「今朝は随分と蒼先生に反抗したらしいな?
“病院で食べるから食べない”って?」




「それも蒼に…!?」




「病院で食べるから食べない、ってどういうことかわからないんだけど」




デスクの上の聴診器をぱっと取って振り向いた高島先生の目は、完全にキレ気味。




「…朝食べたらお昼食べられなくなるから」