「季蛍 おはよう」


「おはようございま……え?」



いるはずのない高島先生の声に動揺していると、夜勤明けの蒼に声を掛けられた。



「おはよ」


「あ、おはよ…」




いつものように定位置へ座った高島先生は、朝食を取り始める。


「季蛍も食べる?差し入れ」


「うん、なに…?」


蒼に呼ばれて席を離れると、テーブルの上にはシュークリームが。


「食べていいって」


「…。朝から甘いのしんどいかも…」


「そう?じゃあ残しとくね」


「うん…」




"そんなことより…"


と言いかけて、高島先生と目が合った。



「あ、今日からまたよろしくね〜」


「はい…あの、回復されたんですか?」


「うん、迷惑かけて申し訳ない」


「いえ…、そんなことはないんですけど」





「…何?」


戸惑う私を見てか、可笑しそうに笑う。


「あの…復帰早いなと…思って…」


「え?…あぁ、もう少し寝込んでた方が良かった?」


「ちが…っ」


冗談っぽく笑う高島先生と、そんな光景を楽しそうに眺める蒼。


「"まだ来れそうにないかもな〜"って蒼が言うから…!びっくりしただけで…」


「あぁ…言ったような気もする」


「薬飲んで一晩寝たからね。お陰様で回復したよ」


「そうですか…良かったです」