「問診票の所に“頭痛”って書いたのに何で横線で消したの?」



苦笑いを浮かべた高島先生は、問診票の項目を指さした。


「…そこは見なくていいです」



「バレバレの横線」



「だ…ッ…間違えただけです」




「ふうん」



信じていないような目を向けられて、また視線を逸らしてしまう。



「吸入を嫌がるのは子供まで」



「…港くんから聞いたんですか!?」




「季蛍が診てもらったのは上野先生だろ?当然。“季蛍さん吸入嫌がってたよー”って。」




「……だって」




「喘鳴が酷かったけどよく我慢してられたな…ってぼやいてた。直接季蛍には言わなかったみたいだけど、そこまで」



「港くんだと余計に緊張しちゃうんです…」



「上野先生はそれも承知だよ、きっと。良かったね、怖~い先生に引き受けられなくて」