「…ッゲホゲホ、…ッゲホゲホ」



良くなる気配のない咳。



じんわり汗を滲ませる高熱。



熱を測ると余計に具合が悪くなる気がする。



だから熱は測らない。



病は気から…その通りだと思う。







「ッゲホゲホ」


仕事に行ける体ではなく、今日も休みを貰ってしまった。


早く受診するべきだということは、自分でもよく理解しているけれど。


着替えて自分でタクシーを呼んで、激混みの外来を何時間も待機…


考えただけで具合が悪い。


一人だとホント不便だよな…。





薬を流し込み、ベッドの中へ。


病院の薬を飲めば一発だってことくらい分かっていても…


「ゲホゲホ…、ゲホゲホッ…」


無理だ。