「夏来、そろそろ」
「なーに?」
「咳が少し酷くなってるから」
「そんなことないよ」
「いやぁ、そんなことあるよ」
「なーい!」
「…ほら、胸ぎゅーって」
「なってないもん!…ッゴホゴホ、…ッハァ…ッ」
「…おいで」
「…。パパ…」
両手を広げると、吸い込まれるように胸の中へ。
「寝る支度しようか。終わったら続きしよう」
「…わかった」
「よし、えらいな〜」
柔らかい手のひらが首の後ろに回ると、ぎゅうっと力が入った。
眠たいのか、体がほんのり温かい。
「着替えて歯みがきしよ?」
「んーん…そのまえにぎゅうしよ?」
「うん、してる」