……ピンポーン
数分後、家のチャイムが鳴った。
重たい頭を起こし、一度壁に体重を掛ける。
「ッ…ゲホゲホ…ッ、…ッハァ…ッ…ゲホゲホ…ッ」
布団を剥ぐと、指先から震え上がった。
さっきまでの暑さはない。
響く痛みに唇を噛み締めた。
この酷い痛みは何なんだ…。
……ピンポーン
再度チャイムが鳴る。
「ッゲホゲホ、ッハァ…、」
自分の体ではないような、そんな感じだ。
体の節々に痛みを伴うせいで、歩行すらしんどい。
朝から眠っていたせいで気が付かなかった。
寝室を出ると、だらしなく衣服が散乱していた。
昨夜帰宅したまま、何もかもそのままになっている。
この光景を友那になんか見られたら、ガツンと怒られそうだ。
"また散らかして"
ってね………。
そんなことにぼーっとしつつ、待たせていることに慌てて玄関の鍵を開け扉を押した。
「…高島」
呆れた溜め息に、ぽろりと出た "すいません"
スーツに身を包んだ蒼先生は、苦笑した。